MA(マーケティングオートメーション)ツールを導入した時の話|UMBERブログ

MA(マーケティングオートメーション)ツールを導入した時の話

MAツール導入を検討し、11社お話を伺い検討した経験があります。

最終的にMarketo Engage(マルケトエンゲージ)を導入、初期設定から運用まで行っていました。※独立後も継続して運用支援しています。
また、2020年にはMarketo Championという賞も頂きました。

今回は、MAツールの説明ではなく、MA導入の経験やその際に行ったことについて書かせていただきました。

導入をご検討中の企業様の少しでもお役に立てれば幸いです。

MA(マーケティング オートメーション)ツールについて

MAツールとは?

マーケティングオートメーションツールの略です。
メールマーケティングなどが行えますが、詳しくは他サイトをご参照ください。

MAツールの種類

MAツールとして有名なものは下記があります
Oracle Eloqua(オラクルエロクア)
Marketo Engage(マルケトエンゲージ)
Salesforce Pardot(パードット)
HubSpot(ハブスポット)

また、国産MAも増えてきています
List Finder(リストファインダー)
SATORI(サトリ)
MAJIN(マジン)
b→dash(ビーダッシュ)
シャノン
BawNow(バウナウ)

導入検討時には11ツールに機能などを伺い、比較検討を行いました。

MAツールの大まかな違い

大きくわけると機能面では「誰でも使える」or「高機能で自由度が高い」

予算面では「機能を切り分け初期は低価格」or「初めから機能が揃っているが高価格」の違いがあると感じました。

まず「誰でも使える」
「簡単に設定できて誰でも出来る」は、簡単に出来るように作られているため、気軽にメールマーケティングに取り組むにはベストですが、複雑な配信は厳しいと感じました。

一方で「高機能で自由度が高い」
「自由度が高く複雑な配信設計が可能」なツールは、気軽に導入するには若干ハードルが高いですが、やりたいことが明確にある場合にはとても有効なツールだと思います。

予算面では、低価格で開始できるツールは、取込メールアドレス数での重量課金プラス、色々な機能が切り分けられている場合があり、機能を追加するごとにコストが加算されていくケースもあります。

比較的高価格なツールは基本機能がすべて付いていて、オプション機能の追加や取込メールアドレス数で課金されるパターンになっていることが多いです。

どれがいいのか?は、チームの状況やスキル、実施したい運用計画と成果、かけられる予算によって善し悪しは異なります。

MAツール検討のきっかけと検討時にしたこと

もともとメール配信は行っていました

もともとお客様向けにメルマガ配信を行っていましたが、組織改編でその部署の業務を引き継ぐことになり、見直しを実施したことがきっかけでした。

はじめの3カ月は手作業で分析

メルマガって効果があるの?

ということで、まずは既存の実績を分析。
使用していたツールがメール送信と、送信メールの開封可否しか分からなかったため、送信メールごとにリストをダウンロードしてはエクセルで名寄せし、開封者にチェックを入れていく。フォーム利用者なども手作業で名寄せしてはチェックを入れる。

ひたすら手作業。
かなりの時間がかかりましたが、この段階で色々なことが分かりました。

次の3カ月は手作業でテスト運用

まずは成果目標を設定し、達成のための仮説を立てました。

仮説検証のため、分析と同時進行でテスト運用の予算承認を取り、いざテスト運用開始。

テストなのでメルマガ配信のたびに配信設計を変更。
コンテンツもゼロから準備し、LPやフォームは全て新規でコーディング、送信は手動でユーザーを切り分け、開封や問合せ等のアクションがあったら手作業でエクセルにチェックをいれる。これを3カ月間、計4回繰り返し実施しました。

兼任1人+専任1人でひたすら準備・実施・集計・分析の繰り返し、この期間はとても大変でした。

導入のきっかけ

結果としては、テスト運用開始後すぐに、ユーザー行動がわずかですが変化し、継続することで成果が出せる見通しが立ちました。

しかし作業量が多すぎて、他の業務に影響が出てしまうため、スコアリング等作業の自動化と、コンテンツのテンプレート化による作業量大幅カットのためにMAツール導入の検討を開始いたしました。

MAツール導入時に大切にしたこと

何のために導入するのかを明確にする

導入目的を出来る限り具体的に持ちました。

制作作業の負担を大幅に削減し、ノンプログラマーでも運用できるが、配信設計にこだわって複雑に設計でき、APIで連携出来ること。
※実際は上記のさらに細かく要望をまとめました

配信コンテンツは事前にある程度準備する

成果目標を立てた段階で配信コンテンツ作りも着手していました。

コラムサイトも作りましたが、コラム情報やお役立ち情報だけの発信では弱い。その他にキャンペーン費用や販促費用の承認を得たり、提携企業に特別プランを作ってもらったり…。

とにかくユーザーがメールを受信し、開封する動機となるメリットを作ること、だけを考え準備していきました。

最終的には出来る限り案を考え『すぐ用意できるもの』『準備すれば用意できるもの』『仕込みが必要で1~3年かけて準備していくもの』に分け、順番に準備しています。

誰が運用するために作られたのかを。を考える

職種でいうと営業の方が運用するためのモノなのか、マーケター用のものなのか。

専門職のチームなのか、一般職のチームなのか、それとも社員全員が使えるものなのか。

導入したMarketo Engage(マルケトエンゲージ)の当時の担当者の方とのお話の中で、「マルケトはマーケター用に作られたもの」というお話を聞いたことがあります。※2018年当時のお話なので変わっているかもしれません

マルケトはマーケターが欲しいと思う機能・やりたいと思う設計の実現はおそらく可能。さらに、出来る限り個別化するために複雑に設計したら、そのバリエーションの把握は瞬時には難しくなります。そしてそれこそがMAツールの魅力です。みたいなお話を聞いて、導入を決めた経緯があります。

ツールごとに想定しているユーザーは違います。

誰のために作られているかを知ることは意外と重要だと思っています。

導入で最も大変なこと

【会社に必要性を理解してもらうこと】
トップ主導でない限り、これが導入において最も重要で、最も困難だと思っています。

私自身もスムーズに導入できたわけではないため、当社では「必要性を理解してもらうための支援」も微力ながら行えればと思っています。

MAツール運用で大切にしたこと

出来る限りユーザーに聞いてみる

キャンペーンの内容は何がいいのかを聞いてみたり、毎年アンケートを実施したり、お客様の声を定期的に聞くように心がけています。

出来る限り試し、その反応を見て判断する

メールを送る時間や曜日を少しずつ変化させ反応を見たり、配信内容ごとにデータを蓄積し反応をみたり、細かく分析をしています。尚、分析はBIツールのTableau(タブロー)で可視化しています。
今では様々な検証結果がすぐに見れるようになっています。

分析して改善する

運用しながら、とにかく色々分析しては仮説を立てて改善を繰り返しています。
意外な発見が多くありました。

ルールを決める・わかりやすくする

ファイル名などに命名ルールを設けると共に英語禁止にするなど、とにかくわかりやすくなるようにルールを決めています。

まとめ

MAツールはWEBサイト・メール・SNSなど、ユーザーのコンテンツ間の行き来を支援し、時に促進させることの出来るとても良いツールだと思っています。

導入にあたり「MAで何を達成したいのか」を明確にし、
達成のために「MAで何を届けなければならないのか」を明確にし、
届けるために「MAを使いこなせることができるのか」知る必要があると思います。

そしてツールは導入してからがスタートです。

当社が運用を支援している中で目指しているユーザーとの関係性は
『困っている人に「お困りですか?」と声を掛ける』
とても難しいですが、この形こそが「適切なタイミング」に「適切な内容」を「適切な方法で届ける」最上級の状況だと思っています。

もしMAツール・特にMarketo Engage(マルケトエンゲージ)にご興味が御座いましたらお気軽にご相談ください。



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