事業会社のWEB戦略(2) 具体的なマーケティングプラン作り|UMBERブログ

事業会社のWEB戦略(2)
具体的なマーケティングプラン作り

前回、企業によるWEB戦略で、WEBマーケティングの必要性や戦略の重要性についてご紹介させていただきました。

事業会社のWEB戦略

今回は自身のインハウスのWEBディレクター&WEBマーケターとしての経験から、WEBマーケティングの戦略を作るためのサンプルとして、2つの考え方をご紹介させていただきます。

WEBマーケティングの戦略とは?

前回のまとめで書かせていただきましたが、WEB戦略で最も重要なことは、「ユーザーとのコミュニケーションをどのようにとるか」だと考えています。

最新のツールや手法・技術など様々な手段を駆使し、「適切なタイミングで適切な内容の訴求を行う」探し方・買い方が多様化したからこそ、ひとりひとりに異なるコミュニケーションの実現こそが、企業のWEB戦略の根幹だと感じています。

また、「適切なタイミングで適切な内容の訴求を行う」はWEB領域だからこそできる事が多くあります。

今回は「営業活動プロセス」と「購買行動プロセス」のふたつの考え方をご紹介させていただきます

ケース1:見込み客獲得から受注や購入までの営業活動で考察

見込み客の段階に合わせて施策を行う。

営業活動において、受注客・購入客を増やすには、まず購入の可能性がある見込み客を集客し、検討に必要な情報の提供や製品・商品知識を訴求し、見込み客が抱く懸念や疑問・不安を解消していくことが必要です。

例えばWEB広告で集客し、資料ダウンロードを促進。メルマガでお役立ち情報を配信し、ウェビナーで使用感や機能、メリットを伝える。さらにこれまでの行動や役職などの顧客データからスコアリングし、スコアの高い見込み客から優先的に電話などでアプローチを行う。

などのように、営業プロセスの段階ごとに施策を変化させることで、最適なコミュニケーションを図ります。

この方法は購入までの期間が長期化する商品や休眠顧客が増加するビジネスに有効です。

次に営業プロセスから少し具体的にWEB戦略を考察いたします。

営業プロセスから考えるWEB戦略について。

リードとは
現在製品やサービスを将来購入する可能性のある見込み客のことを指して使います。

リード、つまり見込み客への営業活動ごとに何ができるかを少し具体的に考察してみます。

・考え方

今回は見込み顧客を創出するための活動を表すときに使用するデマンドジェネレーションを用いてご説明させていただきます。
デマンドジェネレーションは接点獲得から営業に引き渡すまでのプロセスでしばしば使用され、BtoB企業でよく活用されています

・初接点から受注までを分類

まずは見込み客獲得から受注までの営業プロセスを大きく3つに分けます。
一つ目は獲得(リードジェネレーションといいます)
二つ目は育成(リードナーチャリングといいます)
三つ目は選別(リードクオリフィケーションといいます)
そして受注に至ります。

段階ごとの具体的なWEB施策について。

営業プロセスを3つに分けたそれぞれの段階において、WEB施策では何が出来るのかを明記いたしました

●リードジェネレーション(見込客の獲得)

まずは認知を獲得する

  • SNS:広報的な意味合いでの利用、認知獲得や情報発信として活用

次に顕在層にリーチする

  • WEB広告:検索エンジン広告やバナー広告など広告配信で訴求し集客
  • 外部メディア:ペイドメディアやポータルサイトといった外部サイトから集客
  • SEO:検索エンジン最適化による自然検索からの集客
  • オウンドメディア:情報サイトなどを作成し、情報発信を行い集客
  • ウェビナー/セミナー:まずはセミナーに集客しアプローチ

●リードナーチャリング(見込客の育成)

集客した見込み客を育成し購入検討を促進

  • メルマガ:ステップアップメールなどで必要情報を段階的に訴求
  • オウンドメディア:お役立ち情報や成功体験を発信し知識を訴求
  • ウェビナー/セミナー:見込み客の疑問や課題、不安を解消

●リードクオリフィケーション(見込客の選別)

育成した見込み客を選別し優先順位をつけアプローチ

  • スコアリング:顧客情報や行動ごとに点数をつけ、検討度合を数値化
  • RFM分析:成約顧客との類似性チェックや優良顧客探しを行う
  • 会員化:会員化し囲い込むことで、接点を強化する

上記は大きな施策概要となります。
実際にはさらに分析を重ね、より精度を高めていきます。

ケース2:顧客が購入するときの行動で考察

モノを購入するときの心理に沿った施策。

モノを購入するときのプロセスとして、存在を知り→興味を持ち→欲しくなり→見かけたら買うといった心理的な流れがあります。

それら購入時の消費者の心理的なプロセスとして、有名なものにAIDMAやAIDA、AISASなどがあります。

購入時の消費者心理の段階ごとに施策を変化させることで、最適なコミュニケーションを図ります。

今回はこの中のAIDA(アイダ)モデルを使用したいと思います。
次に営業プロセスから少し具体的にWEB戦略を考察いたします。

購買心理プロセスから考えるWEB戦略について。

・考え方

今回は使用するAIDAモデルについて少しご説明をさせていただきます。AIDAとは各段階の頭文字をとったものとなります。

・購入までの心理状態を4つに分類

認知してから購入するまでの購買行動の心理状況を4つに分けます。

1.Attention(注意):注意をひき認知させる
2.Interest(関心):関心を寄せてもらうために訴求する
3.Desire(欲求):欲しくなるように性能を理解させる
4.Action(行動):購入してもらうよう促す

消費者心理ごとの具体的なWEB施策について。

AIDAモデルのそれぞれの段階において、WEB施策では何が出来るのかを明記いたしました。

●Attention(注意):注意をひき認知させる

まずは認知を獲得する

  • SNS:フォロワー獲得やキャンペーン等で接点の獲得を行う
  • オウンドメディア:関連記事やお役立ち情報記事による情報発信

●Interest(関心):関心を寄せてもらうために訴求する

メリットや購入後のイメージ訴求・不の解消の訴求

  • コラムサイト:お役立ち情報や成功体験を発信し知識を訴求
  • ブログ:お役立ち情報や会社情報、製品情報の発信
  • SNS:使用イメージ、製品コンセプトイメージの発信
  • WEB広告:検索エンジン広告やバナー広告など広告配信で集客

●Desire(欲求):欲しくなるように性能を理解させる

具体的検討のための詳細情報の発信

  • WEB広告:リターゲティング等での顕在化リードの集客
  • SEO:顕在化している要望での集客
  • UX/UI:サイト機能性向上による訴求力の強化
  • 事例紹介:具体的な事例や成功体験の情報発信
  • メルマガ:機能情報、製品情報、例や成功体験の情報発信
  • ウェビナー/セミナー:見込み客の疑問や課題、不安を解消

●Action(行動):購入してもらうよう促す

販売チャネルの充実と販促施策

  • ECサイト:販売チャネルの確保
  • 予約機能:予約、登録作業の軽減
  • 会員化:差別化によるメリット提供
  • キャンペーン:販促キャンペーンの実施

現在デジタルマーケティングの支援をさせて頂いている企業では、AIDAを含む3つのフレームワークをミックスした顧客購買モデルを作り、それぞれの段階ごとに施策を展開しています。

まとめ:WEBマーケティングの戦略づくりについて

実際の現場では、フレームワークがぴったりとハマることはまずありません。

まずは自社・他社・顧客の理解を徹底的に深め、見込み客が認知から購入に至るプロセス、そしてその過程で起こすアクションと動機、さらには深層心理や周囲の環境など、相手を知ることが重要です。

相手を知れば抱えている悩みや得たい要望が見えてきます。

最後にそれらに合わせたコンテンツを作成し、たとえば見込み客の環境や知識量に合わせてコミュニケーションを展開していくなど、コンテンツの届け方を工夫する。

運用後は実践した施策の分析することで、さらに確度を上げることができるのはWEBならではだと思います。

また、戦略設計だけでは絵にかいた餅で終わってしまいます。

戦略作りと同時に実践するための体制づくりも重要なポイントになります。
弊社ではWEBマーケティングの分析と戦略の設計から、実践するためのクリエイティブに至るまでワンストップでご提供が可能です。

ご興味いただけましたら、お気軽にご相談ください。

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