工務店におけるWebマーケティング分析・競合調査をする

今回は新築注文住宅の施工やリフォーム・リノベーションをおこなう工務店の競合調査の一部をご紹介させていただきます。

いろいろな競合分析方法

競合調査で検索をしてみると、色々なフレームワークの紹介が出てきます。まずはフレームワークについて、抜粋のみですがご紹介させていただきます。

3C分析

「Company(自社)」「Competitor(競合他社)」「Customer(顧客)」を軸に分析します。競合優位性や顧客行動やニーズなどを把握することが出来ます。当社では必ずおこなう分析手法です。

STP分析

「セグメンテーション(Segmentation)」「ターゲティング(Targeting)」「ポジショニング(Positioning)」を分析します。業界全体の大きな枠から徐々に小さな枠に絞り込み、自社が戦うべき場所を見つける時に使用します。こちらも当社ではよく使用するフレームワークです。

PEST分析

「政治(Politics)」「経済(Economy)」「社会(Society)」「技術(Technology)」を分析します。 大きく市場を見るマクロ環境要因分析方法で、自社を取り巻く外部環境を把握するときにおこないます。

5フォース分析

「競合他社の脅威」「新規参入者の脅威」「代替品の脅威」「買い手(顧客)の交渉力」「売り手(サプライヤー)の交渉力」の5つの脅威を分析します。自社と競合他社が作る業界構造や収益構造を把握するときに使います。

SWOT分析

「強み(プラスの内部要因)」「弱み(マイナスの内部要因)」「機会(プラスの外部要因)」「脅威(マイナスの外部要因)」を分析します。自社の内部要因と外部要因の良し悪しを洗い出すため、自社のことを深く知るときに使います。

VRIO分析

「経済的価値(Value)」「希少性(Rarity)」「模倣可能性(Inimitability)」「組織(Organization)」など、いわゆる経営資源となりえるものを分析します。経営資源であるヒト・モノ・カネ・情報を正しく評価し、成長戦略や改善点を洗い出すときに使用します。

4P分析

「商品(Product)」「価格(Price)」「流通(Place)」「販促促進(Promotion)」を分析します。マーケティング施策において重要なポイントをおさえた戦略作りに重宝するフレームワークですが、デジタルマーケティング・Webマーケティングにおいては「商品(Product)」「価格(Price)」「流通(Place)」はすでに決まっているケースが多く、あまり使われない印象です。

バリューチェーン分析

材料調達から製造・販売までの主活動とそれらを支える技術開発や人事・労務管理などの支援活動において、「価値を連鎖させる」ために一連の工程を分析します。こちらも4P分析同様、限られた範囲でおこなうデジタルマーケティング・Webマーケティングではあまり使われない印象です。

競合企業をリストアップする

調査をするにあたり、まずはリストアップが必要になります。今回は商圏エリアの競合企業のリストを作成しています。

リストアップ方法ですが、当社では自動収集やリストの購入などは行わず、色々と調べながら担当者が時間をかけて作業しています。

そのためリスト作りにとても時間がかかります。リストアップする範囲や収集する項目は、お客様のご依頼内容や納品までの作業時間で決めています。

今回は規模を問わず、商圏エリアとサービスが競合している企業をピックアップし、合計で319社になりました。項目はサービス内容や坪単価などの価格帯、店舗数や従業員数などの事業規模などを収集しました。

リストのサンプルが以下の図になります。

STP分析をおこなう

今回はこのリストをもとに、STP分析のひとつ「セグメンテーション(Segmentation)」をおこなってみたいと思います。

なお、サンプルとして自社を「従業員数35人・4店舗展開し坪単価50~70万円で新築注文住宅を請け負っている工務店」に設定いたします。

(1)規模でマッピングする

縦軸を従業員数・横軸を店舗数にしてマッピングした図が下記となります。

すべての企業をマッピングしようとすると、一部の大手企業の規模が影響してよくわからない結果となりました。

(2)規模の細分化(セグメンテーション)

上記の図から従業員数を500名以下、店舗数を10以下に絞り込むセグメンテーションをおこなった図が以下となります。
※ショールーム・モデルハウスは別集計となります

自社よりも店舗数・従業員数が少ない工務店が多いように見受けられます。

(3)価格帯でマッピングする

縦軸を坪単価の下限・横軸を坪単価の上限にしてマッピングした図が下記となります。

左上は下限も上限も高い企業です。右下は下限も上限も低い企業です。赤印が自社になります。
自社のポジショニングは比較的低めに位置しています。

(4)価格の細分化(セグメンテーション)

坪単価の下限が低い順に企業を縦一列に並べました。図の左が価格帯の下限、右側が上限となっています。

自社が赤線です。
上記の図で見ると、赤線の自社は『低単価で受ける事の出来るグループ』に属しています。また、坪単価50万円以下で受けている工務店が多くないことも分かりました。

そこで、坪単価50万円以下の工務店だけを抜き出したセグメンテーションの図が以下となります。

棒グラフが従業員数、線グラフが価格の上限とし、左から従業員数の多い順に並べました。

この図を見る限り、低価格帯のグループであっても大小様々な工務店がありますが、価格帯の上限に大きな差はないと見受けられます。

このことから、自社のセグメンテーションを坪単価50万円で受ける事ができる工務店グループが比較される競合企業である可能性が高いと思われます。

この結果をもとに、自社が競合より優位となるポイントを洗い出しながら「ターゲティング(Targeting)」「ポジショニング(Positioning)」を進めていく流れとなります。

まとめ

今回は新築注文住宅の施工やリフォーム・リノベーションを行っている工務店業界の市場調査例をご紹介させていただきました。

実際におこなった競合企業のピックアップからSTP分析のセグメンテーション(Segmentation)の実例の一部となります。

市場調査レポートの作成やWebマーケティング分析はお気軽にご相談ください。

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