家探し、ファネルモデルでみるユーザーの顧客行動
不動産事業(家を買う)×WEBマーケティング
マイホーム購入を検討するユーザーの行動は段階があります。
このユーザー行動の理解は、SEO対策やLPO(ランディングページ最適化)などの施策ごとにも役立ちますが、WEBマーケティングの全体プラン立案をおこなううえでも極めて重要になります。
ユーザーの行動を把握するために活用されるフレームワークには様々なものがあります。
今回は、マイホーム購入を検討するユーザーの行動をモデル化するために「準顕在層」「顕在層」「明確層」という3つのフェーズに分けて捉える、ファネルモデルを活用した顧客行動の把握例をご紹介させていただきます。

準顕在層:家の購入を考え始める
購入するかどうか迷っている段階
家の購入を考えるきっかけは人それぞれです。
しかし、ほとんどの方にとって家の購入は初めての経験になるため、知識はゼロに近しい状態からのスタートです。
そこで、まず準顕在層の段階では情報収集がおこなわれます。
この段階のユーザーはまだ購入意思が確定していないため「家を借りるのと買うのとどっちがお得なのか」を調べたり、「家を買う適正年齢やタイミングは今で合っているのか」などを調べる傾向にあります。
準顕在層でよく検索されるキーワード例
「家を買う 借りる どっちがお得」
「マンションを買うなら何歳?」
「家を買う メリット・デメリット」
「家を買う 手順」
「家を買う タイミング」
ここでは、家を買う判断が正しいのかどうかを判断するのための材料集めが主な行動です。「自分でも買える」「メリットがある」「買う時期は適正」と感じた場合、次の段階へ進みます。
顕在層:物件探し前の情報収集
物件検索するとき必ず決めておかなければならない3つの項目
物件探しをおこなうには下記3つの事を決める必要があります。
- 探すエリアを決める
- 物件価格の目安を決める
- 物件種別を決める
※詳細は「物件検索するとき決めておかなければならない3つの希望条件」をご参照ください
そのため、物件探しをスタートさせる顕在層の初期段階では、まずこの3つを決めるための情報収集がおこなわれます。
1.探すエリアを決める
知りたいこと
どのエリア(市区や駅)で探すのかを考えます。安全面や住みやすさについてよく検索されています。
調べる内容
通勤・通学がある場合、職場や学校へアクセスしやすい沿線・駅から重点的に調べられます。特に土地勘のない地域については慎重に調べる傾向にあります。
子育て支援などの行政の取り組みや、治安などの環境、病院や買い物場所などの住環境やそのエリアの相場感などが調べられています。
検索キーワード例
「住みたい街ランキング」 「○○区 住みやすさ」 「子育てしやすい地域」
2.物件価格の目安を決める
知りたいこと
自分の年収的に住宅ローンはいくらまで借りられるのか。また月々の返済額はいくらぐらいになるのかなど、住宅ローンについての内容がよく検索されます。
調べる内容
現在の年収で借り入れられる住宅ローンの金額や、借入額ごとの月々の住宅ローンの返済額、頭金についてなどがよく調べられています。
検索キーワード例
「住宅ローン 借入可能額」 「3000万円 35年ローン 月々いくら」 「住宅ローン 比較」 「住宅ローン 頭金 必要」
3.物件種別を決める
知りたいこと
マンション・一戸建て・土地のどの種別で探すのかを考えます。探す地域によって、種別に偏りがある場合があります。また、基本的に新築は中古より価格が高く、流通量も少ないため、そのあたりのメリット・デメリットも調べられます。
調べる内容
マンションにするか一戸建てにするか。新築か中古かそれとも注文住宅にするのか。どちらがいいのかや、それぞれのメリットやデメリットなどがよく調べられています。
検索キーワード例
「マンション 戸建て どっちが得」 「新築 中古 どっちが得」 「中古マンション メリット デメリット」
顕在層:物件探しをおこなう
3つの軸が決まると、いよいよ本格的な物件探しが始まります。
探し始めの段階では、明確な物件イメージを持っていないため、検索キーワードは、ざっくりとしたものになるケースが多くなっています。
顕在層でよく検索されるキーワード例
「◯◯区 中古マンション」
「◯◯駅 中古マンション」
「ポータルサイト名 ◯◯区 中古一戸建て」
物件探しの探し始めはポータルサイトを利用するケースがほとんどです。
ポータルサイトで物件情報をじっくりと見ては比較し、絞り込んだ上で内見予約や資料請求などが行われます。
明確層:物件検索の条件が定まる
何度も物件探しをおこなっていると物件情報サイトの見方がわかるようになり、探し方が上達していきます。
また、何件かの内見を経験することで、物件探しの知識が蓄積されていきます。
内見の回数を重ねることで、探しているエリアの特性や相場感がわかるようになるほか、妥協できる条件とできない条件なども明確になっていきます。
何度も同じポータルサイトで物件探しをおこなっていると、ほとんどが閲覧済みになってしまいます。その時、あらたな物件を探すサイトを調べる機会が生まれるため、訪問獲得のチャンスになります。
この「あらたな物件を探すサイトを調べる」ときの検索キーワードは、これまでに得た経験や知識から、より条件が具体的な検索キーワードになります。
顕在層の家探しでよく検索されるキーワード例
「○○市 マンション 3LDK」
「○○市 土地 建築条件なし」
「○○駅 一戸建て 3000万円台」
「○○区 中古マンション ペット可」
これらの検索キーワードで上位表示されると、反響へつながりやすくなりますが、
多くの場合、不動産ポータルサイトや大手不動産会社が検索結果の上位を占めています。

まとめ:家を探すユーザーの顧客行動を把握する
フェーズごとの理解が、マーケティングの精度を高める
「準顕在層 → 顕在層 → 明確層」と進むにつれ、ユーザーの知識量と検索ニーズは大きく変化していきます。
たとえば、準顕在層の段階である情報収集の「家を買う 借りる どっちがお得」「マンションを買うなら何歳?」「家を買う メリット・デメリット」などの検索で訪問されたとしても、物件検索段階ではないため物件ページの閲覧までたどりつく確率は低くなり、反響が入る可能性も限りなく低くなります。
一方で、明確層の段階である物件探しの「○○駅 一戸建て 3000万円台」や「○○区 中古マンション ペット可」などの検索キーワードで訪問された場合、高確率で物件を閲覧してもらえるため、お問い合わせの確率は高まります。
このように、顧客行動を正しく理解し、それぞれの段階にマッチしたSEO施策やLPO施策をおこなうことが、最終的なコンバージョン獲得に繋がります。
当社の取り組み:より細分化された顧客行動モデルの構築支援
当社では、この購買行動モデルとして、ファネル分析に別のフレームワークを加えた独自のユーザー行動モデルを構築し、それぞれのフェーズに最適化したウェブプロモーション支援を行っています。
「どの層に、どの情報を、どう届けるか」
この視点を持つことで、マーケティング施策の成果は確実に変わってきます。