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「家を買いたい顧客」と「家を売りたい顧客」の重要視するポイントの違いについて

不動産事業(家を買う)×WEBマーケティング

不動産売買の仲介会社は「家を買いたい顧客」「家を売りたい顧客」のどちらか、もしくは両方の集客をおこなう必要があります。

そして、集客のためには顧客の行動や思考を知る必要があります。

今回は、「家を買いたい顧客」と「家を売りたい顧客」がそれぞれどのような点を重視しているのか、そして、どのようなアプローチが有効なのかを解説します。

「家を買いたい顧客」と「家を売りたい顧客」は重要視するポイントが違う

まず前提として、「買いたい人」と「売りたい人」では、問い合わせ(反響)から成約までの歩留まりに差があるのが一般的です。

その理由は、顧客の行動や思考、重視する項目が根本的に異なるからです。

また、1件の反響を獲得するための広告単価も異なるため、同じプロモーション・同じアプローチで各々が同様の成果をあげることは難しく、「購入希望者向けのWEBプロモーション」と「売却希望者向けのWEBプロモーション」は別で考える必要があります。

そのために、まずは「買いたい人」と「売りたい人」が反響をいれるための判断基準となる、重要視するポイントを考えていきます。

「家を買いたい顧客」が重視するポイントとは?

家の購入を検討するパターン

「家を買いたい」と考える人には、以下のようなパターンがあります。

  1. 賃貸からの住み替え(初めてのマイホーム購入)
  2. 現在の持ち家からの住み替え
  3. セカンドハウスの購入
  4. 投資目的の賃貸用物件購入

この中でも最も多いのは、「1.賃貸からの住み替え」層です。
ここからは、賃貸からの住み替え層についてさらに深く考察していきます。

物件探しから購入完了までの期間

物件探しを始めてから購入に至るまでの期間は人それぞれですが、一般的には数ヶ月〜1年以内に購入を決める人が多い傾向にあります。

物件探しのときに重視すること

物件探しにおいて、ユーザーが重視するのは以下のようなポイントです。

  • 住環境:周辺の買い物施設、病院、学校など
  • 利便性:通勤・通学の利便性、交通アクセス
  • 物件条件:築年数、間取り、設備、収納など
  • 価格:物件そのものの価格

物件探しにおいて、問い合わせをいれるかどうかの判断基準は、探し始めてから間もない時期は希望条件にこだわる傾向にありますが、物件探しの期間が長くなり知識がつき経験を重ねると100点満点はないと知るようになります。

そうすると「あればうれしいが無くてもよい条件」や「必要だけど無くても仕方ない条件」など、「妥協できる条件」が判断基準に加わります。

つまり「物件購入に失敗しない最低限の必須条件」が重要視されるようになります。

購入時を決断するときに重視すること

実際に購入を決める際には、次の箇所が重視されます。

  • 物件の状態:内見時の印象や清潔感、設備の状態など
  • 立地と周辺環境:生活の利便性や治安、駅までの距離など
  • 支払総額:月々のローン返済額と諸費用を含めた総予算

購入の判断は物件を探しの問い合わせ時の判断と異なり、購入後の暮らしをリアルに想像しながら「安心して住めるかどうか」「無理なく支払いを続けられるかどうか」などを基準に意思決定されます。

「家を売りたい顧客」が重視するポイントとは?

不動産売却を検討する主なパターン

売却を考える人にも、複数のパターンがあります:

  1. 現在住んでいる家を売却したい
  2. 相続した家の売却、または価格を知りたい
  3. 投資物件や空き家など収益物件の売却

この中でも多いのが「1.現在住んでいる家を売りたい」というケースです。
ここからは、居住中の物件の売却を検討している層についてさらに深く考察していきます。v

売却完了までの期間

売却完了までの期間は人によって長短ありますが、売却理由によってはその期日があらかた決まっている場合があります(例:離婚、相続整理など)。

一方で、できるだけ高く売りたい人や、ローン残債との兼ね合いがある人は、時間をかけて売却活動を行うこともあり、中には数年がかりのケースもあります。

媒介契約時に重視すること

売却活動の第一歩は、どの不動産会社と媒介契約を結ぶかの選定です。ここで顧客が重視するのは次のようなポイントです。

  • 売れる可能性:不動産売却実績の多さ、販売網の広さなど
  • 信頼できるか:会社の知名度や印象(ポジネガ)など
  • 売り切れるかどうか:売り出し価格の妥当性、買主の集客力など

売主は、高く販売したいことはもちろんですが、それ以上に「売り切ってくれる会社かどうか」をシビアに見ています。

つまり「売却を成功させられる会社・担当者であるかどうか」が重要視されます。

この点において、物件が良ければ不動産会社の知名度は二の次の購入希望と違い「知名度があり印象がいい会社」はそれだけで一歩リードしている状況です。

売却の決定時に重視すること

売却を決定する段階ではやはり次の点が重視されます:

  • 売却価格:いくらで売れるのか、いくら手元に入るのか
  • 売却方法:仲介か買取か(売却完了までのスピード感)

納得のいく価格で、スムーズに売却できるかが最大の関心事になります。

「買い希望」と「売り希望」の判断基準の違いを理解し、それぞれに最適なアプローチを実施することが重要

「買い希望」と「売り希望」の判断基準の違いを理解する

両者を比較してみると、明確な違いが見えてきます。

家を買いたい顧客家を売りたい顧客
検討から完了までの期間数ヶ月〜1年未満が多数数週間〜長期の場合も
反響の判断基準
(媒介契約の判断基準)
・周辺施設などの住環境
・交通の利便性
・築年数や間取りなどの物件条件
・物件価格
 
探し始めは必須条件で選び、長くなるにつれ妥協できない条件のみを重視します。
・過去実績や販売網など売れる可能性
・知名度や印象などの信頼性
・販売価格や集客方法などの販売力
 
高く売れるに越したことはないが、それ以上に売り切れるかどうかを重視します。
契約決定の判断基準・外観の印象、家の中の状態など物件の状態
・駅までの距離や利便性など立地と周辺環境
・ローンの月額費用や総支出額などの支払い
購入後の暮らしをリアルに想像し「安心して住めるか」「無理なく支払えるか」を重視します。
・いくらで売れ、いくら手元に入るのか
・仲介or買取(売れるまでどの程度かかるのか)
 
納得のいく価格で、スムーズに売却できるかどうかを重視します。

たとえば、家を探しているユーザーに、知名度アップのために自社サイトで販売実績をアピールしても、希望条件にあう物件情報が無いために離脱しているケースが多々あります。
逆に、知名度がなくてもポータルサイトに物件情報を掲載すれば反響に繋がるケースも多々あります。

一方で、家の売却を検討しているユーザーに対し、一括査定などのポータルサイトで反響が獲得できても、実績や知名度の訴求ができていなければ、媒介契約に繋がらない、訪問査定にもいたらない、などのケースも多々あります。

このように、「買い希望」と「売り希望」の顧客が重要視するポイントがまったく異なるため、同じWEBマーケティング施策を実行しても、なかなか同じ成果にはなりえません。

「買い希望」と「売り希望」のアプローチを考える

それぞれの反響獲得のポイント・顧客の思考の方向性・アプローチ方法は以下と考えています

家を買いたい顧客家を売りたい顧客
反響獲得のための
ポイント
買主にとって良い物件かどうかが重要売主にとって信頼できる会社・人・提案かどうかが重要
思考の方向性失敗したくない成功させたい
アプローチ方法顧客ニーズを満たす物件情報をつくる
・良い写真、わかりやすいコメントにする
・顧客行動の中で接点をつくる
・ニーズを満たす物件を提案し続ける
ポジティブな認知を得る
・TV-CMなどマスへの露出
・紹介を獲得する施策の実施
・CS向上の取り組みを実施

まとめ|ターゲットに合わせた施策が必須

「家を買いたい顧客」と「家を売りたい顧客」は、行動・思考・関心がまったく異なるターゲットです。それぞれに合わせたアプローチ設計ができてはじめて、集客の成果や成約率を高めることができます。

今回は「重要視する点が異なる」という「思考の違い」のみを明記いたしましたが、本来は顧客行動自体がまったく異なります。

そのため、実際の取り組みをおこなう際は、さらに顧客理解を深め、顧客行動に沿ったチャネルごとのプロモーション設計が競争を勝ち抜くうえで不可欠だと考えています。

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