umber

不動産会社のSEO対策・具体的な取り組みについて

不動産会社のWEBマーケティング/SEO対策(家を買う)

 当社は企業のWebマーケティング・デジタルマーケティングの支援をおこなっており、これまでに不動産売買仲介・工務店・不動買取など不動産会社も担当させていただきました。

今回は、その実践経験をもとに不動産会社のSEO対策について、具体的な取り組みを交えてご紹介させていただきます。

もくじ

不動産会社のSEO対策の流れについて

SEO対策の具体的な施策の流れ

SEO対策の流れは以下の10段階にわけることができます。

  1. 市場を分析し競合やターゲットを理解する
  2. 検索キーワードを分析し、ニーズを把握する
  3. 検索順位を調べ、上位の競合サイトを分析する
  4. SEO対策に適したサイト構造を設計する
  5. 既存ページの改善:SEO対象キーワードへテキスト内容を最適化する
  6. 新規ページの追加:足りないページの追加やコラムコンテンツの運用
  7. 内部リンク改善:ユーザーとクローラーがわかりやすい動線設計
  8. デザインを改善:ページをユーザーが使いやすいようにする
  9. 公開してインデックスを促す
  10. 5~9を繰り返し、サイト規模を拡大する

このページでは上記10段階に沿って、不動産会社のSEO対策の取り組みについてご紹介させていただきます。

1.市場を分析しターゲットを理解する

不動産業界の市場について

不動産業界の市場は成長が鈍化している成熟期

不動産業界の市場(しじょう)は、これからさらに成長し拡大していく市場ではありません。また仲介業・リフォーム業・建設業などの各サービスも広く普及しており、不動産業界の市場はいわゆる成熟期にあたります。

成熟期となった市場は大幅な需要の急拡大が見込めないため、一定数いる顧客シェアの取り合いとなり、企業間競争が激しくなります。不動産業界においてはWEB検索が主流となっている現在、多くの不動産会社がSEO対策に取り組んでおり、その中で成果を出すためには市場理解は欠かせません。

市場を理解する方法

市場は買い手の「需要」と売り手の「供給」のバランスで成り立っています。その市場を分析する方法のひとつに、需要元である「顧客」と供給元である「自社」&「競合他社」の3つの要素を分析する3C分析(Company [自社]・Competitor [競合他社]・Customer[顧客] )があります。

今回は3C分析を用いて不動産業界の競合他社と顧客の分析(自社以外)を簡単にご紹介させていただきます。

不動産業界の市場分析①競合他社を調べる

参入障壁が低いため増える競合他社数

公益財団法人不動産流通推進センターが出している資料によると、不動産業の法人数は過去20年伸び続けており、2005年284,693社だった法人数は2025年に392,110社に増えています。

不動産業界は他業種と比べて設立時の初期費用が安く、在庫保有の心配がなく、製造原価もないことからランニングコストも抑えられるため、新規の参入障壁が他業種より低く独立開業する人が多い業界です。

※発行:公益財団法人不動産流通推進センター  出典:2025不動産業の概況より

競合分析(1)商圏エリアの競合他社をリスト化する

商圏エリアにある同業種の不動産会社をリストアップする際に、以下のような項目を取得しています。尚、毎回すべてを取得するわけではなく、リスト化の目的によって調整しております。

企業基本情報情報取得元・企業名・都道府県・所在地・店舗数・従業員数・資本金・売上高
サイト基本情報サイトURL・その他URL・ドメイン取得日・ドメイン年齢・ページ数・sitemap.xml・robots.txtの有無
コンテンツ
基本情報
物件掲載有無・物件掲載都道府県・物件掲載数・事例掲載数・お客様の声掲載数・コラム掲載数・MSライブラリー掲載数・会員登録の有無・その他のコンテンツ
SNS基本情報アカウント名・フォロワー数・投稿概要(X、Instagram、LINE、YOUTUBE等)

競合分析(2)競合分析に使えるフレームワーク

3C分析のような、不動産会社の競合分析に使えるフレームワークには、5フォース分析やSWOT分析、バリューチェーン分析やVRIO分析など沢山ありますが、今回は実際に利用している2つのフレームワークをご紹介いたします。

STP分析のポジショニング分析:競合の特徴を知る
STP分析とは、Segmentation(セグメンテーション)、Targeting(ターゲティング)、Positioning(ポジショニング)の3つの要素を分析する方法です。この中のポジショニング分析は競合他社の得意分野や特徴を明確にすることが出来ます。

不動産業界の競合分析の具体的な例は以下の記事をご参考ください。
参考:不動産仲介会社のポジショニングマップ(サイト掲載物件数×掲載物件価格の中央値)
https://umber-jp.com/web-mktg-realestate/positioning_map/

行動トレンド分析:繁忙期の競合取り組みを調査する
行動トレンド分析とは、いわゆる繁忙期・閑散期を明確にする分析方法です。その周期は年間・季節・月間・週間・時間帯など様々な区切り方があります。繁忙期・閑散期を知ることで施策実施のタイミング検討に役立ちいます。

たとえば、不動産仲介における繁忙期・閑散期は年間で表すと以下のような形になります。

1月・2月・3月繁忙期正月明けから見込み客が増加し、繁忙期に入り一年でもっとも需要が増える時期です。また、流通物件量も増加します。
4月・5月準繁忙期需要は落ち着いてきます。繁忙期で決まらなかった人、繁忙期を避けた人などの需要があります。
6月・7月・8月閑散期閑散期の時期にあたり、秋の繁忙期まで落ち着きます。
9月・10月繁忙期年始の次に忙しい時期です。
11月・12月閑散期閑散期の時期にあたり、年末に向けて落ち着いてきます。

不動産業界の市場分析②顧客(ターゲットユーザー)分析

不動産業界の顧客思考の根本は「成功したい」よりも「失敗したくない」

物を購入するとき「少しでもお得なもの」「少しでも新鮮なもの」「少しでも機能が良いもの」など、買い物を「成功させたい思い」が働きます。しかし、マイホームの購入や新築施工・リフォームの顧客行動分析をおこなうと「成功させたい思い」もありますが、それよりも「失敗したくない思い」が強く働いていることがわかります。

たとえば月間の平均検索回数をみてみます。「家探し 成功」「リフォーム 成功」のような「成功」の入った月間検索の回数と「家探し 失敗」「リフォーム 失敗」のような「失敗」の入った月間検索の回数を比べると「失敗」が入っている検索回数の方が圧倒的に多くなっています。

Googleの月間平均検索ボリューム(2024年の1年間の月平均)

※Googleキーワードプランナーより取得(期間:2024年1月~2024年12月・対象:Google)
※ハイフン(-)は数が少ないため計測不可

「成功」系の検索キーワード平均月間検索数「失敗」系の検索キーワード平均月間検索数
家 を 買う 成功 家 を 買う 失敗50
家探し 成功家探し 失敗50
物件 選び 成功物件 選び 失敗50
マンション 購入 成功50マンション 購入 失敗500
戸 建 購入 成功戸 建 購入 失敗50
土地 購入 成功土地 購入 失敗50
新築 成功50新築 失敗500
家 を 建てる 成功50家 を 建てる 失敗50
リノベ 成功リノベ 失敗50
リノベーション 成功50リノベーション 失敗500
リフォーム 成功50リフォーム 失敗500
家 を 売る 成功家 を 売る 失敗50

上記の表からも、顧客は成功のためよりも、失敗しないための情報を知りたい人が多いことがわかります。

SEO対策においても不動産関連キーワードは「成功するの秘訣」より「失敗しないの秘訣」のほうが検索ニーズがあり、成功する理由より失敗しない理由の方が響くケースが多々あります。

顧客分析(1)自社の顧客を分析する

顧客分析をする場合、RFM分析(最終購入日・頻度・金額でランク分けする)やデシル分析(10等分する)などのように、いくつかのカテゴリグループに分けることからはじめます。

たとえば、顧客との接点の強さで分けると以下表のように5つに分類できます。

顧客のカテゴリ分析方法わかること
接点なし
※ニーズあり
検索キーワード分析・顧客行動の段階
・顧客の希望条件や要望
・抱えている課題や疑問
サイトへ訪問アクセス解析ツール・サイト訪問経路
・サイト内での行動(滞在時間・閲覧ページ数など)
お問い合わせ反響メール・名前、性別、所在地などの個人情報
・希望条件、希望価格、希望種別
・①と突合すると下記がわかります
✓自社を選ばれた理由
✓反響に至らない訪問ページや検索キーワード
商談中各種帳票・具体的な顧客情報
・具体的な条件、反響の確度
・提案回数、提案内容
成約済み契約内容
成約者DB
・購入者の属性
・購入理由
・③と突合すると下記がわかります
✓選ばない顧客の属性
✓選ばれなかった理由
✓成約率や反響から決済まで期間

この情報の顧客の居住地・年齢・性別・家族構成・お問い合わせ理由・契約理由などを整理すると、ターゲット像であるペルソナを作ることが出来ます。また、選ばれた理由から自社の独自性や優位性が把握でき、選ばれなかった理由から改善すべきポイントがわかり、反響に至らない検索キーワードからSEO対策の対象キーワードを絞り込むこともできます。

顧客分析(2)顧客分析に使えるフレームワーク

顧客分析にもフレームワークがあります。また購買行動を標準化した購買行動モデルも多数あります。今回は代表的なフレームワークと購買行動モデルをひとつずつご紹介させていただきます。

ABC分析(フレームワーク活用)
ABC分析とは、商品やサービスを重要度別にABCのグループに分類する方法で、反響顧客・成約顧客のどちらにも使用できます。ABC分析をおこなうことで、人気商品や得意ジャンルの把握、反響構成や売上構成の把握の他、SEO対策の優先順位などの判断にも使用できます。

例として不動産売買仲介における種別ごとの反響数・成約数・売上の表組を作成し、売上構成比を基準にランクわけしたABC分析のサンプルが下記となります。

この表では、反響・成約・売上が最も多いマンションの取り扱いを得意としていることが分かります。
また、中古戸建は反響数のわりに売上が高いことから、反響が増えれば大きな売上につながる可能性があるため、SEO対策の最優先は「中古戸建」関連のキーワードが良いかと思われます。

ファネルモデル(顧客行動モデル)
ファネルは「ろうと」の意味があり、人数が多い初期段階から段階を経て人数が絞り込まれる様子を示した図式になります。例えば、不動産購入における購入意思を区切ると、準顕在層・顕在層・明確層の3段階に分けることができ、リーチ数の多さを面積で示し、各段階の思考を表記したものが下記の図案となります。

具体的な説明は以下の記事をご参考ください。
参考:家探し、ファネルモデルでみるユーザーの顧客行動より
https://umber-jp.com/web-mktg-realestate/customer_behavior/

顧客分析(3)その他の購買行動モデル

購買行動モデルには、ファネルモデル以外にもAIDMA(アイドマ)やAISAS(アイサス)やVISAS(ヴィサス)などのモデルがあります。ただし、これらの購買行動モデルは標準化されたものであり、不動産業界の顧客行動にそのまま使用することが難しく、ご紹介したファネルモデルも顧客行動の全容を表しきれておりません。

当社では、たとえば「不動産購入」の顧客行動モデルは「ファネルモデル・AIDMAモデル・AIDAモデル」の3つを組み合わせた独自モデルを作成し、それに沿ってSEO対策やWEBマーケティングをおこなっております。

不動産売却・リフォーム・リノベーションなども、不動産購入とは異なる顧客行動になるため、個別で作成をする必要があります。また時代ごとに行動変容や業界変容がおこるため、そのたびに最適化が必要です。

2.検索キーワードを分析し、ニーズを把握する

検索キーワードの分析には顧客行動の理解が必要

不動産関連の検索キーワードには多種多様なものがあります。また、検索キーワードは顧客の知りたいことを示していますが、顧客行動を理解していないとSEO対策にも影響してしまいます。

たとえば「マンション購入」を含む複合キーワードのバリエーションを集めた表が以下になります。

段階検索キーワード検索で知りたいこと(検索ニーズ)表示されるページのジャンル
顕在層マンション購入購入可能なマンションを探す物件一覧
準顕在層マンション購入 ローン住宅ローンの借入額の目安を知りたいコラム記事(ローン試算)
準顕在層マンション購入 銀行住宅ローンについて知りたいコラム記事(ローン試算)
準顕在層マンション購入 手取り住宅ローンの返済の目安を知りたいコラム記事(ローン試算)
準顕在層マンション購入 年収購入価格の目安や借り入れ可能額を知りたいコラム記事(年収別の参考価格)
準顕在層マンション購入 30歳購入する年齢が妥当かどうかを知りたいコラム記事(30代の経験者の声)
準顕在層マンション購入 初期費用初期費用でいくら支払うかを知りたいコラム記事(購入費用について)
準顕在層マンション購入 月8万円月8万円の支払いで買えるマンション価格コラム記事(月8万で買える?)
準顕在層マンション購入 場所購入エリアの選び方を知りたい物件一覧
顕在層マンション購入 中古中古マンションを探す物件一覧
顕在層マンション購入 東京東京のマンションを探す物件一覧
顕在層マンション購入 東京 中古東京の中古マンションを探す物件一覧
準顕在層マンション購入 東京 相場』  東京のマンションの相場を知りたい相場情報

上記は同じ「マンション購入」という単語が含まれていますが、検索する顧客段階・検索で知りたいこと・表示されるページのジャンルは全然違います。「準顕在層」が使う検索キーワードでSEO対策を実施してもなかなかお問い合わせは増えません。顧客行動を理解することで、お問い合わせに繋がりやすいキーワードかどうか見極めることが出来ます。

具体的な説明は以下の記事をご参考ください。
参考:検索キーワード分析の手順について、詳しくは以下のコラムをご参考ください
https://umber-jp.com/web-mktg-realestate/seo_keyword1/

不動産関連の検索キーワード分析の方法

1.分析対象となるキーワードを集める

対象となる不動産関連の検索キーワード、関連キーワード・類似キーワード・複合キーワード・サジェストキーワードなど予想される検索パターンを出来る限り集めます。

2.実際に検索し、表示された一覧ごとにグループ化する

集めた検索キーワードを検索ニーズごとにグループ分けしていきます。下記の表は「マンション購入 ローン」と同様の検索ニーズをもつ「借入額の目安」をグループ化したの例となります。

当社では担当者が1語1語Googleで検索し、表示される結果を目視し手作業でグループ分けしています。なぜ自動化しないのかというご質問をよくいただくのですが、自動で行った場合、たとえば「マンション購入 30」「マンション購入 300」「マンション購入 3000」「マンション購入 2025」の分類を正しくおこなえません。検索キーワードと結果の乖離がある以上、現時点では時間をかけて手作業でおこなう方法を選んでいます。

検索語結果一覧分類
マンション購入 30築30年のマンション or
30歳代のマンション購入
情報収集(年齢)
マンション購入 300500万円以下のマンション一覧物件探し(価格別)
マンション購入 30003000万円台のマンション一覧物件探し(価格別)
マンション購入 20252025年版マンションの価格推移情報収集(市場)

3.各グループをお問い合わせされやすい順に並べ替える

グループ分けが終わると「お問い合わせされやすい」「される可能性がある」「おそらくされない」「されない」「絶対にない」など、お問い合わせされやすさを5段階くらいにランク分けし、下記のようにグループを分類していきます。SEO対策は「お問い合わせされやすい」キーワードからおこなうと効果的です。

具体的な不動産関連の検索キーワードの分類については以下のコラムをご参考ください
参考:「家探し」のSEO・検索キーワード分析(2)キーワードの分類について
https://umber-jp.com/web-mktg-realestate/seo_keyword2/

3.検索順位を調べ、上位の競合サイトを分析する

検索順位を調べる

SEOの対象キーワードの検索結果をリスト化することで、自社の順位や競合他社の順位を把握することが出来ます。収集項目は「検索語」「順位」「URL」「ドメイン」「サイトタイトル」などで、検索キーワードごとに下記のような形でリストにしています。

検索順位をリスト化する方法

検索順位の調べ方は数が多くなければ実際に検索する方法が最も有効です。ただし、Google検索はユーザーの過去の検索履歴や現在地によって検索結果一覧を個別に最適化させているため、以下のことに注意する必要があります。

  • 普段は使わないブラウザを使用する
  • Googleアカウントにログインしていないブラウザを使用する
  • シークレットモード、プライベートウィンドウを使用する
  • キャッシュをクリアにする
  • 位置情報の同期をオフ、位置情報の共有を許可しない設定にする

検索順位を分析する

SEO対策の対象となるすべてのキーワードの順位をリスト化できたら、それぞれを比較し傾向を分析します。たとえばどのキーワードでも共通してランクインしているサイトや逆に特定の語句のみにランクインするサイト、複数ページランクインしているサイトがあるかどうかなど、いろいろな視点で比較分析します。

検索順位比較を当社が過去に実施した一例をご紹介いたします。

 検索結果一覧の分析実例

分析のきっかけ
工務店やハウスメーカーの事業である「リフォーム」「リノベーション」「注文住宅の請負」「工務店」のすべての検索で上位表示させることは可能なのか?

上記を調べるためにまず、2つのリストを作成いたしました。ひとつは工務店とハウスメーカーの企業リストで大小320社調べました。もうひとつは検索結果一覧リストです。

検索結果一覧のリストは「リフォーム」「リノベーション」「注文住宅」「工務店」の4語に22の市区名を掛け合わせた「リフォーム 〇〇区」「リノベーション 〇〇区」「注文住宅 〇〇区」「工務店 〇〇区」の88の検索パターンの1位~100位までの順位をリスト化したものです。

下記の表はこれを組み合わせたもので、縦が企業リスト(320行)、横が検索キーワード(88列)あり、100位以内なら色をつけ、上位になるほど色が濃くしてあります。

この結果から、リフォーム・リノベーション・注文住宅・工務店から、2つ以上が上位に入るサイトは無く、3つ以上ランクインしているサイトもないことがわかりました。つまり、SEO対策をおこなっても、すべてで上位できる可能性は極めて低いことがわかりました。

検索上位のページを分析する

検索一覧の順位は相対評価の結果です。上位表示させるには、上位表示されているページより評価点をあげる必要があるため、検索上位のページ分析は欠かせません。検索上位のページ分析方法はいくつかありますが、今回は2つの方法をご紹介させていただきます。

1.サイト構造(ディレクトリ構造)を調べる

不動産事業会社のサイトは大規模サイトも多いため、すべてのページを調べるにはとても時間がかかります。必要に応じて全部調べる場合と一部調べる場合を使い分けると効率的です。

複数のキーワードで上位表示されているサイトの構造はとても参考になるため、SEO対策が成功している不動産会社のサイトは、可能であればすべてを網羅した構造マップを作成しておくと、将来自社サイトを拡大するときの参考になります。

不動産サイトの主要ページのみを調べた事例は下記のコラムをご参考ください。
参考:大手不動産仲介の物件検索サイトのディレクトリ構造について
https://umber-jp.com/web-mktg-realestate/directory_structure/

2.ページ内で使用している単語数やキーワード比率を調べる

検索エンジンはページ内で使用している単語からどんな内容のページなのかを把握し検索順位に評価に利用しています。そのため、ページで使用している単語はSEO対策にとって重要な要素です。

検索上位のページに含まれている総単語数・重複のない単語数・キーワード出現数・キーワード出現率を調べておくと、SEO対策をおこなうページ制作・ページ改善のときの参考になります。

4.SEO対策に適したサイト構造を設計する

GoogleのSEOスターターガイドを読み解く

GoogleのSEOスターターガイドのサイト構造設計に関して以下のような記述があります。

わかりやすい URL を使用する
URL の各部分はパンくずリストとして検索結果に表示できるので、ユーザーも URL から結果が役に立つかどうかを把握できます。

Google では URL 中の言葉に基づいて自動的にパンくずリストを学習していますが、技術的には、構造化データによって影響を与えることもできます。次の例のように、ユーザーの役に立ちそうな言葉を URL に含めることをおすすめします。
https://www.example.com/pets/cats.html
 
たとえば、次の例のようにランダムな識別子だけが含まれている URL は、あまりユーザーの役に立ちません。
https://www.example.com/2/6772756D707920636174
 
出典:https://developers.google.com/search/docs/fundamentals/seo-starter-guide?hl=ja

類似トピックのページをディレクトリにまとめる
数千以上の URL を含むようなサイトの場合は、サイトの構造が Google によるクロールとインデックス登録の動作に影響を与えます。特にディレクトリ(フォルダ)を使って類似のトピックをまとめていると、各ディレクトリ内の URL が変更される頻度を Google が学習しやすくなります。
次のような URL について考えましょう。

https://www.example.com/policies/return-policy.html
https://www.example.com/promotions/new-promos.html

policies ディレクトリ内のコンテンツはめったに変更されませんが、promotions ディレクトリ内のコンテンツはかなり高い頻度で変更されます。Google はこの情報を学習することで、ディレクトリごとのクロール頻度を変えています。検索を考慮したサイト構造については、e コマース サイト向けのガイドをご覧ください。このようなサイトは大規模なことが多いため URL 構造の重要性が高くなります。

出典:https://developers.google.com/search/docs/fundamentals/seo-starter-guide?hl=ja

要約すると以下となります。

  • GoogleはURLの言葉から自動的にパンくずリストを学習している
  • 構造化データで影響を与えることも技術的には可能
  • URLはユーザーがわかりやすい言葉を使うことを推奨する
  • URLにランダムな文字列を使ったらユーザーの役に立たない
  • 数千ページのサイトはサイト構造自体がクロールとインデックスに影響を与える
  • 類似ページは同一ディレクトリにまとめることで学習しやすくなる

SEOを意識した不動産サイトを制作するポイント

当社では以下のように解釈し、ディレクトリ構造設計に反映しています

●URLはわかりやすい言葉をつかう
都道府県、市区町村、沿線、駅などのディレクトリは都道府県コードや市区町村コードなどを使用せず英字表記でわかりやすくする(町名は変更頻度の可能性を考慮し地域コード使用)

例:東京都武蔵野市のページ
※東京の都道府県コード:13、武蔵野市の市区コード:13203
 ×  example.com/13/13203/
〇 example.com/tokyo/musashino-city

●類似ページは同一ディレクトリにする
都道府県ディレクトリの直下に市区町村を配置し、市区町村の配下に町名ディレクトリを配置する

例:都道府県・市区・町村の構造
東京都武蔵野市吉祥寺本町の地域コード:13203003
〇 example.com/tokyo/:東京のページ
〇 example.com/tokyo/musashino-city/:東京都武蔵野市のページ
〇 example.com/tokyo/musashino-city/13203003/東京都武蔵野市吉祥寺本町のページ

●物件は所在地をディレクトリで表す
物件ページはドメイン直下やbukkenなどに入れず、市区町村の配下に設置する

例:物件ページのURL例
×  example.com/物件ページ
×  example.com/bukken/物件ページ
〇 example.com/都道府県/市区町村/物件ページ

●パンくずリストは構造化データを利用する(一例)


<ul itemscope itemtype="http://schema.org/BreadcrumbList">
 <li itemprop="itemListElement" itemscope itemtype="http://schema.org/ListItem">
  <a itemprop="item" href="example.com/"><span itemprop="name">トップ</span></a>
  <meta itemprop="position" content="1">
 </li>
 <li itemprop="itemListElement" itemscope itemtype="http://schema.org/ListItem">
  <a itemprop="item" href="example.com/都道府県/"><span itemprop="name">〇〇県</span></a>
  <meta itemprop="position" content="2">
 </li>
 <li itemprop="itemListElement" itemscope itemtype="http://schema.org/ListItem">
  <a itemprop="item" href="example.com/都道府県/市区町村/"><span itemprop="name">〇〇市</span></a>
  <meta itemprop="position" content="3">
 </li>
 <li itemprop="itemListElement" itemscope itemtype="http://schema.org/ListItem">
  <a itemprop="item" href="example.com/都道府県/市区町村/物件番号/"><span itemprop="name">〇〇物件</span></a>
  <meta itemprop="position" content="4">
 </li>
</ul>

大規模な不動産物件サイトは特に構造設計が重要

GoogleのSEOスターターガイドでも「数千ページのサイトはサイト構造自体がクロールとインデックスに影響を与える」と明記されています。数千ページある不動産サイトを公開後に改修しようとすると、開発難易度が上がり順位低下リスクが発生してしまうため、数千ページに及ぶサイトや将来その規模に増やす想定のサイトは、初期構築の段階から最適な構造設計をおこなう必要があります。

サイト構造を踏襲したSEO対象キーワードの設定

SEOの対象キーワードは1ページ1キーワード、サイト構造も考慮する

SEO対策はキーワード最適化が基本となるため、ページごとに対象となるキーワードを設定することで漏れや重複を防ぐことができます。キーワード設定は、基本的に1ページに対してSEO対策の主となる対象キーワードを1つ、サブキーワードを2つか3つ設定しています。また、下層ページは上層ページのキーワードを引き継ぎ、細分化されるように考慮しています。

ディレクトリ構造マップに対象キーワードやメタタグ文章・タイトルタグ文章・パンくず内容などを記述すると、サイト構造を踏襲したSEO対策が可能になる同時に、視覚的にわかりやすく管理もしやすくなります。

5.既存ページの改善:SEO対象キーワードへテキスト内容を最適化する

ページ内テキストで使用している単語を上位ページと比較する

本ページの「3.検索順位を調べ、上位の競合サイトを分析する」に記載した「検索上位のページを分析する -2.ページ内で使用している単語数やキーワード比率を調べる」で作成したデータを使用します。

自社のページと上位表示されている不動産事業会社サイトのページ内容を比較します。比較項目やポイントは下記のとおりです。

ページ内テキストで使用されている単語を比較する 

取得項目確認・改善ポイント
総単語数単語数は多ければ多いほどいいというわけではありませんが、少なくても良くありません。ただし上位表示のページより少ない場合、テキスト追加の検討が必要です。
重複のない単語数
(ユニーククエリ数) 
関連語句や説明を位広げるために多彩な単語の使用はプラスに働きます。
ただし、競合のページより少ない場合、言い回しを変えるなどしてユニークな単語の追加施策の検討が必要です
SEO対象の
キーワード出現数
SEO対象キーワードの出現数は一番多い形が理想です。
ただし、出現率が高すぎるとマイナス評価に繋がります。逆に対象キーワードの出現数が少ない場合、追加の検討が必要です。
SEO対象の
キーワード出現率
各単語の出現数サブキーワードをはじめ、ページに関連する単語の出現数が多い形が理想です。
ただし、意図した出現率になっていない場合は調整の検討が必要です。なお、ページと全く関係のない単語の追加はおすすめできません。
各単語の出現率

SEO対策にするポイントを比較する

取得項目チェックポイントと改善概要
ページURLページURLは端的で適切な表現が良いとされています。
URLの内容が意味のない文字列になっている場合、ディレクトリ名の変更をご検討ください。
ページ
読み込み速度
表示速度はSEOに考慮されます。もしページ読み込み速度が遅い場合は改善の検討が必要です。
ドメイン
取得日
ドメイン取得日が古い方が少しだけ有利になりますが大きな問題ではありません。
公開ページ数ページ数が多いと様々な検索で表示される可能性が高まります。
被リンク数良質なサイトからの被リンクはSEOにも効果的です。ただし、低品質なサイトからのリンク獲得はマイナス評価になるため、その場合はリンクの否認申請をおこなってください。

検索ニーズを満たす回答を用意する

訪問後のユーザー行動がSEO対策に影響する

検索順位が上がり訪問数が増えても、ユーザーの知りたい情報がページに無かったり見つけにくい場合、ユーザーはすぐ帰ってしまい滞在時間や閲覧ページ数の値は低くなります。このようなユーザーの訪問時のパフォーマンスが悪いページは、質が低いとみなされて検索順位にマイナスの影響を与えます。

訪問したユーザーの滞在時間や閲覧ページ数を増やす取り組みはSEO対策では必要不可欠であり、そのためにもユーザーの知りたい情報を提供すること、それを見つけやすくすることが大切です。

検索ニーズを推察する

検索で使用されるキーワードはユーザーの質問内容であって、回答内容ではありません。

たとえば「マンション購入 ローン」はローンの有無を知りたいのではなく、借り入れ額の目安を知りたい時に使用されます。このように「検索する単語」と「回答で使用される単語」に乖離があるケースがあります。検索ニーズから質問内容を推察し「答えとなる情報」を入れることが重要です。

meta titleとmeta descriptionはページを表す文にする

meta titleとmeta descriptionを適当につけるとマイナス評価になる可能性がある

検索一覧に出てくるタイトルと説明文は、ページのmeta部分に記載しているtitleタグとdescriptionタグの内容が使用されますが、適当につけるとSEOにマイナスの影響を与えます。なぜなら、以下2つのケースは低品質の評価による検索順位にマイナスの影響を与えてしまうからです。

  1. 検索一覧でのクリック率が悪い。これはタイトルがわかりにくい場合におこることがあります
  2. 訪問してもすぐ離脱し別ページへ行かれる。これはタイトルとページ内容が違いすぎてミスマッチが発生している可能性があります

6.新規ページの追加:足りないページの追加やコラムコンテンツの運用

検索ニーズのすべてに対応するSEOに強い巨大なサイトを作ろうとすると多額の費用と時間がかかるため、現実的ではありません。

そこで、本ページの「2.検索キーワードを分析し、ニーズを把握する」の「3.各グループをお問い合わせされやすい順に並べ替える」で作成したデータから、お問い合わせに近いキーワードをピックアップし、予算にあわせて段階的な拡大施策が現実的です。

検索ニーズがありサイトに無いページを追加する

SEO対策のために追加する「検索ニーズがある」が「制作されていないページ」はいくつかのパターンがありますが、今回は3つのパターンをご紹介いたします。パターンごとにSEO対策の方針は異なりますので、目的にあわせた選択が必要です。

(1)条件が細分化されたニッチな検索キーワード

「市区名 × サービスや種別」の掛け合わせをさらに絞り込むために、詳細条件となる単語を追加したキーワードです。 物件探しで例える場合、以下のような検索が該当します。

●価格を追加する
「マンション 5000万円 世田谷区」「リノベーション 500万円 世田谷区」「リフォーム 50万円世田谷区」など

●広さを追加する
「マンション 70㎡ 阿倍野区」「リノベーション 50坪 阿倍野区」「リフォーム 30平米 阿倍野区」など

●間取りを追加する
「マンション 4LDK 博多区」「リノベーション 3LDK 博多区」「リフォーム 2LDK博多区」など

●条件を追加する
「ペット可 マンション 吉祥寺」「オール電化 中古戸建 大阪市」など

この検索キーワードの特徴は、条件が明確になっているため希望通りの情報が表示されればお問い合わせ率は高いものの、検索ボリューム自体は少ないニッチキーワードに該当するキーワード群です。

エリアやサービスディレクトリの下層に制作することで、ディレクトリ全体の評価をあげられる可能性があります。そのため上位ページのミドルキーワードのSEO対策にもつながる可能性があります。

(2)まとめ系・情報収集系の検索キーワード

「おすすめエリアを知りたい」「サービスの特徴をしりたい」「相場を知りたい」など、大きなくくりで情報収集している検索キーワードです。例えば以下のような検索が該当します。

●エリアを探す
「住みたい街ランキング」「子育てにおすすめの市」「治安の良い街」

●リノベーションを検討する
「中古マンション リノベーション 事例」「中古マンション リノベーション 費用」

●おすすめを知る
「リフォーム 子育て ポイント」「リノベーション 東京 おすすめ」

 この検索キーワードの特徴は、情報収集段階のためお問い合わせまで少し距離がありますが、ニーズは顕在化しているため、訪問後の動線設計が重要なキーワード群です。

特設コンテンツやコラムサイトなど、ランディングページの役割をもつページとしてよく制作されており、独自の動線設計が可能なため最短でお問い合わせまで誘導することも可能です。

(3)方法を説明するハウトゥ系・不動産お役立ち情報系の検索キーワード

初期段階で情報収集のためにおこなわれる検索キーワードで、「探す」よりも「知識を得る」ことが目的の検索キーワードです。例えば以下のような検索が該当します。

●流れ掛け合わせ
「マンション購入 流れ」「リノベーション 流れ」「リフォーム 流れ」など
 
●注意点掛け合わせ
「マンション購入 注意点」「リノベーション注意点」「リフォーム 注意点」など
 
●費用掛け合わせ
「マンション購入 費用」「リノベーション 費用」「リフォーム 費用」など

この検索キーワードは、具体的な条件が決まっていないためお問い合わせには繋がりにくい特徴があります。、相談会やセミナー、カタログ請求などへの動線がつくられていることが良くあります。

コラムやオウンドメディアの記事として制作されることが多く、良い情報が掲載されていればページの滞在時間が長くなる。検索一覧のクリック率があがる。など、別の側面でのSEO評価がプラスになることが期待できます。

更新コンテンツを運用する

不動産関連サイトの更新コンテンツの種類

新規ページ追加と重複する部分もありますが、SEO対策としてサイト規模を拡大する取り組みは有効です。そのために更新コンテンツの運用という方法もあります。

不動産会社の更新コンテンツ以下の種類
・コラム、ブログ、マガジンなどの記事コンテンツ
・エリア紹介、地域紹介、街紹介コンテンツ
・施工事例、実施例コンテンツ
・お客様の声、インタビュー記事
・用語集解説
・地価動向、業界動向
・マンションライブラリー

運用のポイント

ニュースなど検索ニーズの無いページは、大きな効果は期待できません。また、内容の薄いページを量産した場合、訪問ユーザーのパフォーマンス悪化を招き、SEO対策としてはマイナス効果です。

一方で、専門性の高い記事は需要があり、内容も良質でSEOにも効果的ですが、法務チェックが必須となり、業法改定の度に改修する手間も発生するため、バランスの見極めも重要になります。

作成ページの決め方と作り方のポイント

本ページの「2.検索キーワードを分析し、ニーズを把握する」の「3.各グループをお問い合わせされやすい順に並べ替える」で作成したキーワード分類表から、検索ニーズのある対象キーワードを選定し、ユーザーが求める情報を分かりやすく書くことで、ユーザーにとって有益なページの作成がおこなえます。

公開後の運用ポイント

訪問ユーザーの滞在時間などが悪いと検索順位にマイナスの影響を与える可能性があるため、アクセス解析ツールで平均滞在時間や離脱数をチェックし、パフォーマンスが悪いページは文章改善が必要です。 

7. 内部リンク改善:ユーザーとクローラーがわかりやすい動線設計

適切な内部リンク設計①ユーザビリティの向上

ページ内リンクの設置位置やデザインを工夫して、ユーザーを導く動線を意図的に設計することで知りたい情報へスムーズに誘導することができます。このようなUX/UIの改善はSEO対策にも効果があります。

なぜなら、滞在時間が長い・平均閲覧ページが多いなど、訪問ユーザーのパフォーマンスが良いページになると検索エンジンは質の高いページと評価してくれるため、検索順位にプラスの影響が与えられます。

適切な内部リンク設計②クローラビリティの向上

ページをリンクでつなげクローラーの巡回を促す

検索エンジンのクローラーはリンクをたどって巡回します。そのため、関連ページ同士をリンクでつなぐことでクローラーの巡回を促すことができます。また、ページ全体をつなぐことでインデックス漏れを防ぐことができます。

クローラビリティにおける2つの注意点

一つ目の注意点はリンク切れです。リンク切れが多いとクローラーの巡回が妨げられ、SEO対策に悪影響を及ぼす可能性があるため、見つけ次第解消する必要があります。

二つ目の注意点はページ読み込み速度です。クローラーはページ読み込み速度が遅いとクロールの容量上限(クロールバジェット)が低下し、SEO対策に悪影響を及ぼす可能性があります。

外部サイトへの発リンク(外部リンク)

プラス要因とマイナス要因

外部サイトへのリンク(発リンク・外部リンク)が多すぎる場合は注意が必要です。
外部リンクがユーザーの利便性を高める働きをしたり、参照元を明確にするための外部リンクはプラス要素となる場合もありますが、ユーザーが離脱する要因となったり、ページ評価が分散してしまうなど、SEO対策にとってマイナス要素になる可能性もあります。

aリンクに関連を否定するタグを設置する

「外部サイトと関連付けない」「外部サイトに評価を与えない「外部サイトへクローラーを誘導させない」などの場合、リンクであるaタグにrel=”nofollow”を追加することでGoogleに関連性の否定を通知することが出来ます。

<a rel=”nofollow” href=”サイトURL “>テキスト</a>

もし外部リンクが多い場合は上記方法で対策する方法があります。なお、rel=”nofollow”は外部リンクに対してのみ有効であり、内部リンクのクロール拒否はrobots.txtにdisallowを記述する方法があります。

詳しくは以下をご参照ください:Google にアウトバウンド リンクの関係性を伝える
https://developers.google.com/search/docs/crawling-indexing/qualify-outbound-links?hl=ja

8.デザインを改善:ページをユーザーが使いやすいようにする

ページデザインは検索順位に影響を与える

ユーザー訪問後の行動が検索順位に影響を与えますが、特に下記3点が悪いと低評価になってしまいます。公開後もアクセス解析ツールを活用し、滞在時間や離脱の多いページの内容を改善することが継続的なSEO対策に繋がります。

平均滞在時間
訪問してから離脱するまでの時間です。検索一覧に表示されるタイトルと内容のミスマッチや検索ニーズと異なる内容、デザイン悪く見にくい、などの場合に悪化します。

直帰率
ページを訪問した後、他ページを見ずに1ページのみの閲覧で離脱する割合です。リンク設計が不十分な場合やデザインが悪く使い方がわかりにくい場合に悪化します。

ポゴスティッキング
ページを訪問したがすぐに離脱し、一覧に戻ったのち別のサイトを訪問する行動です。平均滞在時間が短く直帰率が高い場合に悪化します。

ページ表示速度は検索順位に影響を与える

ページの表示速度は、訪問ユーザーと検索エンジンのクローラーの双方に影響を与えるため、SEO対策でも重要な指標になります。具体的な影響範囲は以下のようなものがあります。

)ページ表示速度が極端に遅い場合、ユーザー体験を悪化させる

ページの読み込み時間が長いとユーザーはストレスを感じます。その場合、表示される前に離脱するポゴスティッキングが発生しマイナス評価になってしまいます。また、Googleはモバイル検索における順位決定の要因に、ページ表示速度を加えると発表しています。

(2)ページ表示速度が極端に遅い場合、クローラーの処理が非効率になる

クローラーは巡回時に取得するページの容量と取得時間に上限(クロールバジェット)が設けられています。ページの表示速度が遅い場合、巡回時に取得されるページ数が減少してしまうため、新規ページのインデックス登録や主要ページのクロール漏れなど、SEO対策にも影響を与える場合があります。

ページ表示速度のチェック方法

ページ速度は以下のサイトで測ることが出来ます。

PageSpeed Insights
https://pagespeed.web.dev/
 
First Contentful Paint(FCP)
ページの読み込み開始後、最初に何らかのコンテンツ(テキストや画像など)が表示されるまでの所要時間です。1.8秒以下が良好、1.8~3.0秒が要改善、3.0秒以上が不良と表示されます
 
Largest Contentful Paint(LCP)
ページの中で最も大きなコンテンツの表示にかかる所要時間です。2.5秒以下が良好、2.5秒~4.0秒が要改善、4.0秒を超えると不良が表示されます。
 
Total Blocking Time(TBT)
ページ読み込み中に操作をブロックされてしまう合計時間です。低い方が応答性の高いサイトとされています。200ミリ秒未満が良好。200ミリ秒~600ミリ秒が要改善、600ミリ秒以上が不良と表示されます。
 
Cumulative Layout Shift(CLS)
ページ表示中に予期せぬコンテンツのズレを数値化したものです。0.1以下が理想とされ、01.~0.25で要改善、0.25以上で不良と表示されます。
 
Speed Index
ページ表示速度がどれだけ早く表示されるかを示す指標です。数値が低いほど良いと評価されます。
 

 LCPやCLPに改善が必要な場合や問題がある場合は、Googleサーチコンソールのwebに関する主な指標に表示されるため、改善することをおすすめいたします。

9.公開してインデックスを促す

クローラーの巡回を促進する

改善したページや新規作成したページは、公開作業で終了ではありません。検索結果に改善内容が反映されるにはインデックスを促す必要があります。xml形式のサイトマップに記述し送信する方法やGoogleサーチコンソールから直接URLを送る方法などでクローラーを巡回させることができます。

10.5~9を繰り返し、サイト規模を拡大する

SEO対策の流れを10段階ご紹介させていただきました。不動産事業のSEO対策は1~9までを実行して終了ではなく、繰り返しおこないサイト規模を拡大しページを改善し続けることが重要になります。その理由は以下の通りです。

SEO対策は継続しなければ停滞や減退がおこる

競合他社もSEO対策をおこなっている

不動産に関する情報収集はネットが主流となっている中で、多くの不動産会社が自社サイト集客としてSEO対策をおこなっています。競合他社がSEO対策に取り組み上位表示されることになると、相対的に自社サイトの掲載順位が下がる結果に繋がります。

SEO対策は継続することで成果を出す

一度のSEO対策で成果を出すことが難しい

分析をおこない、様々な角度で検証したとしても、思うような成果が出ない場合があります。SEO対策をはじめとしたWEBマーケティング施策は、当たるか当たらないかではなく、検証と実践の繰り返しによる右肩上がりの状況を作りあげることが理想と考えています。

多様な検索パターンに対応する必要がある

多様な検索キーワード・検索パターンがある不動産会社のSEO対策は、自然検索からの訪問増加のアプローチ方法はひとつではありません。しかし、複数のアプローチを同時におこなうと効果検証ができないため、段階的にアプローチ方法を変えながら実践することが望ましいと考えています。

大規模不動産サイトのSEO対策は中長期的な計画を立てる

大規模不動産サイトのSEO対策はひとつの改修に数か月を要するため、年単位での改善計画が必須になります。そのため、サイト分析とSEOの現状分析がとても重要になります。改善箇所に優先順位をつけて、数か月単位の改修を止まることなく実行していくためには短期計画と中長期計画の両方の精度が求められます。

まとめ:不動産会社のSEO対策

SEO対策は1~4の事前分析と5~9の実践・検証の繰り返し

不動産会社のSEO対策の基本的な流れとしては、事前分析(1~4)をしっかりとおこなった上で、実践(5~9)を繰り返しおこなうことで計画的にサイト規模を拡大させ、様々な検索キーワードに対応したWEBサイトの構築が可能だと考えています。

常にリサーチと分析が必要です

検索順位は相対評価です。そのため競合のSEOの取り組み状況によって検索順位は変化します。SEO実践の際は、常にアクセス解析ツールによる現状把握や検索順位チェック、不動産競合他社の動向調査が必要です。

実践で得た知見で施策を常に最適化させる

SEO対策を実行していくと、事前分析では見えなかったもの、わからなかったことが見えてくる場合があります。また、計画立案時に想定していなかったことや、実践しても効果が出ないことがあるかもしれません。

そのような場面でも柔軟に対応するため、実践の中で知見を広げ、その都度分析を実施したうえでSEOの改善策をうつことが大切です。

不動産会社×WEBマーケティングの実績

当社では、市場分析やキーワード分析から施策の立案から実行支援まで、不動産事業の様々な実践経験があります。守秘義務があり全てを明記できませんが、当社実績を簡単にご紹介させていただきます。
 
WEBマーケティングの実績
各種分析・計画立案・SEO対策・WEB広告コンサルティング・ポータルサイト成果分析・SNSマーケティング・MAツール運用・既存顧客向け施策の実践・WEBキャンペーン企画、実行支援
 
制作・開発関連の実績
WEBサイト制作・LP制作・コラムサイト制作・コラム制作
 
 
現在は、近畿・東京・福岡で不動産仲介事業を行っている福屋不動産販売様の物件検索サイトのSEO対策も担当させていただいております。
福屋不動産販売様:https://www.fukuya-k.co.jp/

不動産会社のSEO対策をご検討の際は、対面・オンライン問わずお気軽にご相談ください。

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