不動産仲介会社のSEO対策・物件名検索・マンション名検索について
不動産会社のWEBマーケティング/SEO対策(家を買う)
マンション名で検索するときのニーズは、「その場所へ行きたい」「売るための相場を知りたい」などがありますが、購入を検討している場合もマンション名検索は使用されます。
家を買いたいときに使用される「マンション名 購入」などのキーワードを入力すると、物件詳細ページが一覧に表示されます。
物件詳細ページは、複数の会社が自社サイトに掲載しており、どのサイトの物件情報も当然ですが内容は同じです。
物件情報の内容は同じですが、実際に検索上位に表示されるページと下位になってしまうページにはいろいろな面で差があります。また、自社サイトに物件ページを掲載しているにもかかわらず、検索結果一覧に出ない場合もあります。
同じ物件を紹介しているにもかかわらず、どこに差があるのかを中心に、物件名検索・マンション名検索のSEO対策についてご紹介させていただきます。
マンション名検索の月間ボリュームについて
家探しでよく使用されるキーワードといえば「中古マンション 大阪市」のような「種別×エリア」の掛け合わせです。
一方で、マンション名検索など物件ページへ直接訪問するような検索キーワードは、ひとつひとつでみると、月間の検索回数は少なく検索からの訪問数も多くありません。
しかし、市場には数多くのマンションが立ち並んでいるため、すべてのマンション名検索をひとまとめにした場合、その累計検索回数はとても多くなります。
たとえば自社サイトの物件ページにおいて、自然検索からの訪問数が1ページ月1件の訪問があるとします。
様々なマンション情報が記載されているSUUMO物件ライブラリーに登録されている東京23区の物件棟数は425,131、大阪市は70,598となっています。
もしすべてのマンションを掲載しており、もれなく月1件の訪問を獲得できた場合、単純計算をすると下記のようになります。
東京23区:425,131棟×1訪問=425,131/月の訪問獲得
大阪市 :70,598棟×5セッション =70,598/月の訪問獲得
物件詳細ページの1ページあたりの訪問数が多ければ倍々で多くなっていきます。
SUUMO物件ライブラリーに掲載されている区ごとのマンション件数
| 市区名 | 掲載件数 | 市区名 | 掲載件数 | |
| 東京23区の合計 | 425,131 | 大阪市の合計 | 70,598 | |
| 千代田区 | 2,335 | 大阪市都島区 | 2,604 | |
| 中央区 | 4,587 | 大阪市福島区 | 2,231 | |
| 港区 | 10,151 | 大阪市此花区 | 1,218 | |
| 新宿区 | 20,157 | 大阪市西区 | 3,079 | |
| 文京区 | 10,412 | 大阪市港区 | 1,797 | |
| 渋谷区 | 16,156 | 大阪市大正区 | 1,014 | |
| 台東区 | 9,070 | 大阪市天王寺区 | 2,366 | |
| 墨田区 | 10,274 | 大阪市浪速区 | 2,651 | |
| 江東区 | 11,763 | 大阪市西淀川区 | 2,816 | |
| 荒川区 | 8,381 | 大阪市東淀川区 | 4,810 | |
| 足立区 | 22,439 | 大阪市東成区 | 2,277 | |
| 葛飾区 | 15,491 | 大阪市生野区 | 2,929 | |
| 江戸川区 | 23,993 | 大阪市旭区 | 2,314 | |
| 品川区 | 19,801 | 大阪市城東区 | 3,290 | |
| 目黒区 | 16,645 | 大阪市阿倍野区 | 2,492 | |
| 大田区 | 33,857 | 大阪市住吉区 | 4,105 | |
| 世田谷区 | 47,123 | 大阪市東住吉区 | 3,345 | |
| 中野区 | 24,053 | 大阪市西成区 | 3,044 | |
| 杉並区 | 33,721 | 大阪市淀川区 | 5,338 | |
| 練馬区 | 27,352 | 大阪市鶴見区 | 1,719 | |
| 豊島区 | 18,096 | 大阪市住之江区 | 3,105 | |
| 北区 | 16,001 | 大阪市平野区 | 3,363 | |
| 板橋区 | 23,273 | 大阪市北区 | 4,501 | |
| 大阪市中央区 | 4,190 |
基本的な考え方はロングテールSEOと同じですが、マンション名検索の場合、複合キーワードが多様にあるのではなく、マンション名自体が多様にあるため、これまでの経験からロングテールSEOの手法とは異なる取り組み方が必要と考えています。
マンション名で検索した時の検索結果について
マンション名検索の検索順位を調べる
実際にマンション名検索をおこなったとき、どのような検索順位になっているのかまずはリストを作成します。
今回は、過去に実施したいくつかのマンション名検索の中から、下記マンションの資料をもとにお話しさせていただきます。なお、検索順位リストはGoogleで5ページ目までの1位から50位までの検索結果を一覧にしています。
検索キーワード
『上本町ガーデンハイツ 購入』
※上本町ガーデンハイツは大阪府大阪市天王寺区にあるマンションです
※順位を取得した当時は売り出し中の物件がありました
マンション名検索の検索結果一覧
『上本町ガーデンハイツ 購入』で検索したとき、5ページ目(1~50位)までに表示されたURLとサイト名の一覧が下記となります。
マンション名検索の検索結果の内訳について
50位までの検索結果を取得しましたが、複数回ランクインしているサイトがあるため50サイトあるわけではありません。
今回は1~50位までの仲に34サイトあり、最も多くランクインしているサイトはHOMESの4回(3位、16位、25位、46位)、次いでハウスドゥが3回(27位、31位、34位)、そして11のサイトが2回ランクインしていました。
なお、当社がSEO対策を担当している福屋不動産販売様のサイトは、4位と18位にランクインしていました。
複数回ランクインしている13サイト
| サイト名 | ランクイン回数 | 順位 | 事業形態 |
| ハウスドゥ | 3回 | 27位、31位、34位 | 事業会社 |
| SUUMO | 2回 | 1位、2位 | ポータルサイト |
| 福屋不動産販売 | 2回 | 4位、18位 | 事業会社 |
| 大京穴吹不動産 | 2回 | 5位、37位 | 事業会社 |
| 東急リバブル | 2回 | 6位、15位 | 事業会社 |
| 三菱UFJ不動産販売 | 2回 | 7位、33位 | 事業会社 |
| マンションナビ | 2回 | 11位、48位 | ポータルサイト |
| 三井のリハウス | 2回 | 12位、44位 | 事業会社 |
| ちゅうこマ! | 2回 | 13位、21位 | ポータルサイト |
| プロパティバンク | 2回 | 20位、40位 | 事業会社 |
| コムズホーム | 2回 | 24位、50位 | 事業会社 |
| ウィル不動産販売 | 2回 | 26位、30位 | 事業会社 |
また、実際に不動産仲介をおこなう事業会社と広告収入が主目的となるポータルサイトで分けた場合、34サイト中22サイトが事業会社、12サイトがポータルサイトでした。
| 事業形態 | サイト数 | ラインクイン数 |
| ポータルサイト | 12サイト | 18回 |
| 事業会社 | 22サイト | 32回 |
| 合計 | 34サイト | 50回 |
検索結果で表示されたページの分析
SEO対策のための分析として『上本町ガーデンハイツ 購入』の検索結果1位~50位までの各ページについて、使用されている単語数や当時のドメイン年齢を調べていますのでご紹介させていただきます。
まず、ページごとに以下の項目を調べました。
・ページ内の総単語数
・ユニーク単語数
・物件名「上本町ガーデンハイツ」の使用回数
・都府県名「大阪府」の使用回数
・市区名「天王寺区」の使用回数
・ドメイン年齢
「上本町ガーデンハイツ 購入」で検索し5P目までに入ったページのページ内容分析

分析内容からわかること
1~10位と1~50位の項目内容の平均値・中央値の違い
中央値・平均値ともに、下記の項目はいずれも1~10位までの内容が、全体よりも多くなっています。
| 項目 | 中央値 | 平均値 |
| 総単語数 | 全体(1~50位):3,783 上位(1~10位):4,173 | 全体(1~50位):6,500 上位(1~10位):6,868 |
| 物件名の使用回数 | 全体(1~50位):6 上位(1~10位):11 | 全体(1~50位):10 上位(1~10位):12 |
| 物件名の出現率 | 全体(1~50位):0.15% 上位(1~10位):0.26% | 全体(1~50位):0.15% 上位(1~10位):0.18% |
| ドメイン年齢 ※リスト化時 | 全体(1~50位):14年9カ月 上位(1~10位):21年10カ月 | 全体(1~50位):16年0カ月 上位(1~10位):18年1カ月 |
上記の表より、1~10位のページは、全体のテキスト量とSEOの対象となる物件名の使用回数が平均よりも多く、ドメイン年齢も長いことが評価されている可能性がうかがえます。
ページ内のテキスト量やドメイン年齢が評価の全てではない
1~25位までのサイトの中で、単語数やキーワード使用数、ドメイン年齢などの項目がすべて中央値より上(色付き)のサイトは、3位のホームズ、14位のマンションレビュー、22位のスマイティしかありません。
また、下記のように総単語数や使用回数が多くても1ページ目に入らないケースもあります。
- 11位のマンションナビ:総単語数2位(17,272語)・物件名使用回数1位(37回)
- 14位のマンションレビュー:総単語数1位(53,023語)・物件名使用回数3位(26回)
- 25位のHOMES:総単語数3位(17,231語)・物件名使用回数5位(25回)
テキスト量が多いければ良いというわけではなく、適切な量にコントロールすることが重要だと考えます。
常設コンテンツ(マンションライブラリー)の強みと課題
検索順位1位のSUUMOのページは、総単語数・ユニーク単語数・エリアキーワード使用数・ドメイン年齢など、物件名使用回数以外の項目が平均を下回っています。
同じドメインである検索順位2位のSUUMOの物件ページの方が、テキスト量・キーワード使用率などはよい内容となっています。
1位と2位のページのもっとも大きな違いは、常設か新規生成かの違いになります。
詳しくは以下にてご説明させていただきます。
常設コンテンツ(マンションライブラリー)の強み
1位のページはマンションライブラリーと呼ばれる常設コンテンツの物件ページで、2位のページは物件が売り出されたときに生成されるページという違いがあります。
今回調べた1~50位までのサイトの内、マンションライブラリーのページは13サイトあり、そのうちの約半数となる6サイトは1~10位にランクインしてります。
そして、複数ランクインしているHOMES・大京穴吹不動産・東急リバブルは、売り出し中の物件ページよりもマンションライブラリーの物件ページが上位にきています。
このことから、常設ページであるマンションライブラリーはマンション名検索・物件名検索のSEO対策にとっては効果的だと思われます。
なお、SUUMOの物件ページや福屋不動産販売・三菱UFJ不動産販売の売り出し中の物件ページが上位表示されていることから、マンションライブラリーがベストな対策ではなく、あくまで常設である優位性があり、その優位性とはインデックスされる速さではないか、と考えています。
常設コンテンツ(マンションライブラリー)の課題
マンションライブラリーなどの常設コンテンツは、検索順位の上位表示する取り組みにおいては優位性がありますが、基本的にはマンションの紹介をおこなう内容が主となるため、内見や資料請求までの動線が売り出し物件の詳細ページよりも増えてしまう課題があります。
最短の問い合わせルート
(1)マンションライブラリーのマンション紹介→(2)売り出し物件詳細ページ→(3)問い合わせフォーム
(1)売り出し物件詳細ページや→(2)問い合わせフォーム
遷移動線が多いため、適切な文章による訴求・わかりやすい物件ページへの動線など、離脱を防ぎ詳細へ誘導する画面設計が重要うです。それらの設計が上手く出来ていないと、 せっかく訪問してきたユーザーがすぐに離脱し他のサイトを利用してしまうことになります。
マンションライブラリーについては、別途ご紹介させていただこうと思っております。
まとめ:物件名検索・マンション名検索のSEO対策について
マンション名検索のポイント
- ひとつひとつの検索回数は少ないが、マンションの棟数が多いため全体としては一定量の需要がある
- 同じドメインでも複数回ランクインし、かつ上位表示されているページがある
- 物件ページを掲載していても、ランキングに入らない場合もある
- 複合キーワードのバリエーションは少ない
SEO対策のポイント
- ページ単位で総単語数や対策対象キーワードの使用回数をコントロールする
- ただし、総単語数や使用回数は多ければよいというわけではない
- 都道府県名、市区名などのエリア関連キーワードはあまり重要視されていない可能性がある
- マンションライブラリーなどの常設コンテンツはインデックス面で優位性がある
- マンションライブラリーは、訪問後の画面設計が適切でないと簡単に離脱される
- 公開後のインデックスを早める対策が必要
なお、ここに明記していない、ディレクトリ構造を最適する。サイトボリュームを上げ、専門性を高める。ページの読み込み速度を早くする。クローラビリティをあげる。などの基本的な取り組みをおこなったうえで、さらなるSEO対策の項目のひとつとしてご参考いただけますと幸いです。
もし当社でお力添えが出来る事が御座いましたら、お気軽にご相談ください。

