STP分析によるマイホーム購入市場の分析例
不動産会社のWEBマーケティング/SEO対策(家を買う)
市場分析において、自社の方向性を明確にするための基本フレームワークにSTP分析というものがあります。STP分析は、ターゲットとなる顧客や競合他社との差別化などを明確にすることができます。
今回はマイホーム購入におけるSTP分析例をご紹介させていただきます。
もくじ
STP分析とは?
STP分析は市場分析の基本フレームワークのひとつで、セグメンテーション(Segmentation)・ターゲティング(Targeting)・ポジショニング(Positioning)3つの要素があります。
セグメンテーション・ターゲティング・ポジショニングの分析をおこなうことで、市場において「誰に」「どのような価値を」「どう差別化して提供するのか」を明確にすることができます。
3要素の概要は以下の通りです。
(1)S:セグメンテーション(Segmentation)
セグメンテーションでは、「誰に」を明確にするために、顧客を様々な属性や性質でグループ分けし、市場を細分化します。
(2)T:ターゲティング(Targeting)
ターゲティングでは、自社の特性・優位性・強みを把握し「どのような価値があるのか」を明確にしたうえで、細分化した市場の中から競争優位となるターゲット市場を見極めます。
(3)P:ポジショニング(Positioning)
ポジショニングでは、ターゲティングの市場における顧客に対して、競合との違いを明確にするために「どう差別化して提供するのか」を具体的にします。
セグメンテーション(Segmentation)の取り組み
セグメンテーションでは市場を細分化するために、様々な属性や性質で細分化します。細分化する切り口には以下のようなものがあります。
デモグラフィック(人口統計学的属性)
性別、年齢、家族構成、年収、職業など、人口統計に関する切り口です。人口統計には変化をとらえる人口動態統計(厚生労働省の人口動態調査など)や、その時点をとらえる人口静態統計(総務省の国勢調査など)があります。不動産購入市場においては、年齢・家族構成・年収の違いが、求める物件の条件などに関連しています。
具体例:既婚の30歳代後半、世帯年収600万円、子供2人
ジオグラフィック(地理学的属性)
居住地域、購入希望地域や、地域ごとの発展状況や環境、人口、文化、地形など地理的なデータに関する切り口です。不動産購入市場においては、都会と郊外での物件価格の違いや、戸建てが多い住宅街やマンションが多い地域など、物件のラインナップなどに関連しています。
具体例:東京近郊(職場まで1時間県内)の中古マンション3LDK
サイコグラフィック(心理的属性)
価値観、性格、趣味、関心、ライフスタイルなど内面的な要素が切り口になります。年齢や性別での分類よりも個々に焦点をあてることができます。不動産購入市場においては、購入する動機やこだわりたい条件などに関連してきます。
具体例:子育てしやすい環境で公園が多く、同世代の家族が多く住むエリア
ビヘイビアル(行動学的属性)
サイト閲覧ページ、閲覧頻度、閲覧時間、メルマガ登録など顧客行動に基づいた要素が切り口となり、顧客が実際におこなった行動データを活用します。不動産購入市場においては、反響の有無や内見の有無など顧客の段階にあわせ、アプローチを最適化するために活用できます。
具体例:サイトからお問い合わせし一度内見をおこなった段階
ターゲティング(Targeting)の取り組み
ターゲティングでは細分化した市場の中から、どのセグメントに対してアプローチするのか、どのような内容でアプローチするのかを見極めます。自社のサービスが得意とすること、競争優位に立てること、それらが顧客にとって価値があることを知ることが、ターゲット市場の見極めで重要になります。
3C分析
顧客(Customer)競合(Competitor)自社(Company)の3つの要素を分析します。自社の特性・競合の特性・顧客ニーズを把握することで、自社の強みとなる競合優位性・独自性を明確にすることができます。不動産購入市場においては、得意エリア・種別・価格・サービス内容などはもちろんですが、年間取扱件数や過去の取引実績、顧客満足度なども競合優位性となる場合があります。
競争地位別戦略
商品(物件)では企業間で差が出にくい不動産購入市場は、コトラーが提唱した競争地位別戦略も参考になります。競争地位別戦略では、業界シェアごとにリーダー・チャレンジャー・ニッチャー・フォロワーの4つに分類しますが、それぞれの特性によって不動産購入の市場での戦略はもちろん、デジタル活用やDXにおいてもことなると考えています。
ポジショニング(Positioning)の取り組み
ポジショニングでは、選択したターゲット市場において自社の立ち位置を明確にし、競合とどのような差があり顧客メリットはどのようなものがあるのかを具体的にします。
例えば、マイホーム探しを検討しているすべての人を対象にするのではなく、「住まいの内装にこだわりたいが注文住宅ほどのコストをかけられない層」に対して「中古物件のリノベーションを得意とし、おしゃれなデザインを物件探しから設計、施工までワンストップでおこなう」など、市場を絞り込んだうえで需要を把握したうえで自社のポジションを明確にすることで、資金や人材などの量的経営資源、マーケティングやブランディングなどの質的経営資源を適切に配分することができ、効果の最大化を図ることができます。
ポジショニングマップの制作
ポジショニング分析においてポジショニングマップの作成はよく知られています。ポジショニングマップは、縦軸と横軸に異なる項目を設け、自社と競合他社をマッピングしていくシンプルな図式になります。縦軸と横軸にどのような項目を据えるかによって得られる結果がことなります。
実際に物件検索サイトのポジショニングマップの作製事例を紹介した記事がありますので、詳しくはそちらをご一読ください。
物件検索サイトのポジショニングマップ
https://umber-jp.com/web-mktg-realestate/positioning_map/
まとめ
STP分析はマイホーム探しをおこなう不動産購入市場の分析において、自社や競合他社を知るために重宝するフレームワークです。特に、商品の差別化がむつかしいにも関わらず競合数が多く地域性も色濃く出る「マイホーム探し」の市場では選択と集中が重要になります。
コストや人員などのリソースを適切に配分するためにも、自社の強みや特性の把握は必須となります。まずは様々な角度で分析をおこなうことをおすすめいたします。

